totsuzen no houmonsha

『すいませ〜ん』

いつも開けっ放しにしているデイサービスの玄関口から誰かの声がしました。

扉を開けると中学生2人組。

一人は物事をハキハキ話すハキハキboyでもう一人は体格は良いもののモジモジと恥ずかしそうにしていたモジモジboy.

真新しい制服に身を包まれていたので、この春中学生になったばかりの子達かなと想像。

『どうしました?』

野球ボールが誤ってデイサービス敷地内の庭に入ってしまったので取らせて欲しい。とのことでした。

車が何台か置かれている車庫の扉からお庭へ案内すると、ハキハキboyがさっそく

『わわ、すごい高そうな車がたくさんある。すごいぞ』

と呟かれました。

おっ。なんだか感心。よくその年齢で車の値段が高いってわかるな~。

普通わかるのかな。

院長先生一家は皆、ベンツを愛用しているのですが、デイサービスの車庫に停まっている車がベンツだとわかったのはつい最近のこと。

ただただ車に無頓着だった私はベンツのエンブレムを覚えることに成功したのでした。

お庭に入るとその広さと小さな池にびっくりしたのか、ハキboyが興奮したようにまた呟かれています。

『なんだ!ここは!すごいぞ。見てみろ。こんなところに池がある!』

後ろを歩くモジboyに話しかけていますがモジboyは犬に近寄られて怖がっている真っ最中。

『わわっ!犬だ』

f:id:tamagonokimichan:20210427194352j:image

初めてモジboyが喋りました。

 

お庭からデイサービス室内も見えるので、中を横目で見るとご利用者様達が珍しいお客様だわ。とこちらを興味津々に様子を伺っていました。

ちょうど院長先生宅敷地内では依頼していたガーデニング作業が行われており、その後も饒舌にハキboy。

『ここはなんなんだ!』

なんだか私はこの珍しいお客様が面白くて良い刺激を頂きました。

ボールも無事見つかり帰る2人を見て私はふと思う。

こんなにお喋りできる学生さんがボランティアで来てくれたらご利用者様達も楽しいだろうな。学生さんも楽しめるきっかけ作りとして何か提案できたら良いな。

一刻も早くコロナが終息に向かいますように。

f:id:tamagonokimichan:20210427192045j:image