FURIKAERI

さてさて、どこまでお話ししたでしょうか。

no.2【グループホーム

前回お話しした特別養護老人ホームですが、3年経った時、ハードな夜勤に腰痛と身体がついていけず退職を決めまして。次はグループホームに勤めました。ユニットが2つあり1ユニット8名様の合計16名様がご入居されているアットホームな雰囲気が特徴的です。

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3食のご飯もスタッフとご利用者様で作ったりお洗濯物を手伝ってくださる方もいたりと一緒におこなえる環境がありました。

例えばですが、認知症疾患があるご入居様の住んでいたご自宅がグループホームのたまたま近くにあったのです。徒歩10分ほどかな。

そうなりますと夕方暗くなるあたりに『こんなとこにはいられない。自分の家に帰る!』と言って飛び出されるのは介護士からしたらすごく当たり前と言えば当たり前に思うこと。

ここでは玄関に鍵などかけることはなく飛び出しを阻止することなく納得いくまでどこへでもついてまわれる時間がありました。

近くにあるご自宅に一緒に行くもだれもいません。【自宅にはもう誰も住んではいません】

その方はインターフォンを鳴らし誰もいないことが確認できたらそこで一つ自分の気持ちに折り合いがつき『困ったな。さっきいたところに一泊させてもらいます』となるのです。

なので毎日その方は夕方暗くなる前にご自宅に行かれるのでした。

隣町に自宅があると歩いて行かれた方もいます。『ついてこないで!』と興奮されていましたので程よい距離を保ち様子を見ます。

1時間半くらいでしょうか。

ふらふらと体力的に疲れベンチに座られたので、そこで初めて声をかけてみるのです。グループホームの職員であることは理解ができない為、あたかも通行人を装って笑顔で会話を始めてみるのです。そうするとグループホームにいたときは興奮され職員の話しなど聞く耳を持たなかった方も優しく笑顔でお話しを返してくれました。そうなると私の提案にも納得してくださるのです。その後はタクシーで一緒に帰ることができました。今振り返るとお金も持たず払い方もわからないが帰りたいという一心でバスに乗ってしまう方などもいたりで、以前に勤めていた施設とはまた違う意味で色々異なることの発見で働いていて驚くことばかりでした。

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その方が一度こうしたい!と思ったことは口で説明したり危ないからやめましょうと阻止するより絶対叶えてあげたほうが後々、良い効果をもたらすと思っています。例え叶わない事とわかっていても時間をかけて対応することこそが重要だったりすると。

私はグループホームに入居されている方の中には納得・理解ができない方もいる。だけど寄り添って対応することの大変さと大切さを身を持って感じることができました。

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そして入職し一つ不安だったのが、、、

それは料理作りです。

昼と夜は料理担当職員さんが来てくれて主に料理を作ってくださるのですが朝ごはんは夜勤者の担当でした。

ニラ玉やお味噌汁など、今思えば簡単なメニューと感じるかもしれませんが当時23歳の私はお味噌汁の作り方さえ知りませんでした。てへ。

なんとか簡単なメニューの作り方を覚えて私が夜勤の時はそればかりだったような気がします。ごめんなさい。苦笑

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昔、板前だったという男性ご入居様にお味噌汁を一口飲まれそれ以降全く口にすることがなかったというほろ苦い記憶が先程、蘇ってまいりましたのでここらへんでおしまいにしたいと思います。