shiranaisekai

デイサービスをご利用くださるお客様は平均80歳くらいです。

最高齢で言いますと100歳の方が通われています。生まれたときから川越で暮らし育ってきた方が多く私の知らない世界をたくさん教えてくださいます。

それこそ戦争中はB29が迫ってきて子供ながら走って防空壕に逃げた事や川越は今や甘くて美味しいお芋で有名ですが昔は配給で配られたお芋は食べられたものじゃないくらい美味しくなかったなど。

 

私が生まれる遥か前。

今の様に便利になり過ぎた時代に比べ大変な時代を生き抜いてきた皆様から直にお話を聞くことができるのはとても不思議なことでありがたく思えるのです。

年齢など関係ない人と人の巡り合わせに感謝します。


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KAIGOSHI no YOROKOBI

「もう1回利用日増やそうかしら」

デイサービスがどんなところか知らない方からではなく、自分に合った場所を探し今まで転々とされてきた新規ご利用者様の口からそうでました。

ご利用2回目の日。

「ここは1番私に合っている」と笑顔でおっしゃってくださり介護施設を転々とされていた経緯も知っていたのでその言葉を聞けたときはやはり嬉しい気持ちでいっぱいになります。

まずは目の前にいるご利用者様の気持ちにできる限り沿い、そこから色んなことを考えていけたらなと思います。

 

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AM8:20出勤

ureshiikotomokanashiikotomo

ずーっと優しくしてくださりありがとうございました。

ここぞというときにはよく話を聞いてもらいました。聞いてもらうだけで良かったのです。

『私は聞くことしかできないわよ』

よく言っていましたね。それだけで充分でした。

妹が職場に来たとき、わたしがいないところで、『お姉さんよくやっているわよ。』と妹に言ってくださっていたこと、とても嬉しかったです。

嘘が苦手で本当に思っていることしか言えない人と知っていたので、余計嬉しく。

 

おしゃべりな人ではなく、ですが看護師の判断は間違えなく。デイサービス卯八を支えてくださいました。平成15年デイサービス立ち上げ当初からつい最近まで本当にお疲れ様でございました。

緩和ケア先の病院でお顔を見に行ったとき、すごく喜んでくださり『私って嫌なやつじゃなかったでしょ』ってクスリと笑い私達に話されましたね。

 

最期まであなたらしく。

 

まだまだ未熟な私を面白おかしく見ていてくれたら嬉しいです。

 

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skinship

日々心がけていること。

多少なりとも不安感を持ってデイサービス利用に来られる方には1日のどこかで身体に触れるようにしています。

会話の中でさりげなく手を握ったり大胆にいくならご挨拶したあとによろしくお願いします。のハグをしたり。

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ある方はご利用当初まったく笑わずお声がけにも返事がなく怒っているのかな?と思っていました。話しかけられるのが嫌なのかな、、どうだろう。とも考えましたが懲りずに会話の中で身体に触れたり返事はないですが我ながらしょーもない冗談を言ってみたり。

冗談言った後に全くご利用者様の反応がなくても全然気にならなく切り替えて会話を進めていくことができるのは職業柄でしょうか。

性格なんでしょうか。

こんなときばかりは自分の性格を自分で褒めたくなります。

2.3回と利用を重ねていき3回目にして満面の笑みで『こないだあんたいなくて寂しかったよ』と言ってくださいました。

目ん玉飛び出るかと思うくらい笑ってるんですよ。

え、笑うの?(失礼)

なんだったら笑顔が最高に素敵なんです。

すごくすごくうれしかったのを今でも覚えています。

誰だって好きで来ているわけではないのです。

仕方なく最初は来るのです。

でも少しでもここに来てよかったと思ってもらえたら嬉しいな。

その為に今日もたくさん話しかけるのでした。

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YUTORI

地域密着型通所デイサービス。

10人未満のご利用者様に対し通常3人〜4人の職員がシフトに入っています。

手厚いとケアマネージャーさんに驚かれます。

ですが

職員がバタバタしていてはご利用者様も落ちつけません。

それこそ認知症の方は不安になり落ちつかなくなります。

職場にゆとりを。

雰囲気は大事。

どなたにも伝わります。

高齢者介護においてコミュニケーションが一番の援助だと思うのです。

働く職員が集まらず手薄覚悟で無理に新しい介護施設がバンバン建つと不安になったりします。

ご利用者様も職員も心穏やかに。

イライラは最大の敵なり。

 

 

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AM8:20朝の送迎前に。

SHIPPAIwoOSORERUNA

私は今でこそ仕事に関して後輩からコジさんだからできるんですよ。と言われることがあります。ですが今から遡ること16年前。。

福祉の専門学校を卒業して最初に勤めた特別養護老人ホームでの3年間は色んな意味で色濃い時代でした。

単刀直入にもうしますと、先輩や看護師から驚かれるほどの【やらかし新人】でした。

私が新卒で施設に入ったとき、私の他に2人女の子が同時期に入り、この年は3人の新卒を先輩達は育てなくてはならないのでした。

教育担当者が3人。私達新卒3人の前に現れ自己紹介をしてくれました。

男性2人と女性1人。私を教えてくれる先輩は4つ歳の離れた女性の方でした。

女の人でよかったとどこかホッとしたのを今でも覚えています。

この日から施設で働き出し疑問に思ったことや介護知識などの勉強会。様々な面で先輩に面倒を見てもらいました。

後から教育担当者の先輩から聞いた話しによると誰がどの子を教えるか。の話し合いになった時に、コジコジは何かやばい。という話題になった。とだけ教えられました。

私ははっきり言って新卒の子、2人に比べたら常識を知らないお馬鹿であったし慣れることが人一倍遅くとろかったと自負しています。

なので、その話題になったと教えられたとき

え、面接のときに見抜いたの?と驚いたけれど、やっぱりバレるもんだなと周りの見る目に私事ですが感心したものです。(どの口が言う)

ここで20歳のときに施設でやらかした自分でも驚く出来事TOP3を発表します。

1、夜勤中、寮母室の洗面台でご利用者様の口腔ケア用品を消毒する為、シンクに水をためていたときです。ナースコールで呼ばれ水を出しっぱなしにしたまま呼ばれた部屋へ訪室。そのまま水を出しっぱなしにしていたことなど忘れ動き回る。寮母室へ戻ったら部屋全体が海みたいに波を打っていて絶叫。

2、ショートステイ中の方の洗濯が出ており、毛糸のベストと車椅子に敷いてある低反発クッションを乾燥機にかけたらベストは、え?これはお人形さん用かな?ってくらいありえないほど小さくなっておりクッションはボロボロになっておりこれまた絶叫。

3、夜勤中、、夜中2時。眠さとの戦い。2階で巡回中。眠さを吹き飛ばす為、廊下の端から端まで約50メートルくらいでしょうか。猛ダッシュする。その5分後に1階にいた先輩に急変か何かあった?すごい足音が聞こえたよ。と心配される。

事情を説明したら紛らわしいし、第一うるさくするなと怒られ猛烈反省。

朝の申し送りでは、夜勤の疲れからか

『◯◯さん、夜間を通して特別身体状態等問題ありますん』と言ってしまい、皆から『どっちやねん』と突っ込まれたり、、とにかく日々学んでいました。

当時のとんでもない失敗と発想を繰り返していた私ですが先輩は懲りずに可愛がってくれました。3年間仕事をしていて私なりにもご利用者様とどう接していくかわかってきたり、後輩ができ自分が教育担当者となり、任される仕事が増えたりと。。充実していましたが、職員に襲い掛かる介助量は並大抵のものではなく、度重なるぎっくり腰や消毒などの手荒れがひどくなり退職することにしたのです。

最後の時に看護師や後輩・教育担当者の先輩からコジコジはいつも全力で頑張っていたよ。と言う言葉を頂き辛いこともたくさんあったしたくさん泣いたけれどやってこれてよかったと思った瞬間でした。

私はいま後輩によく言います。とにかく失敗してもよいから思ったことをやりなさいと。

失敗して学ぶことはたくさんあるのだからやらないと成長することさえできないよと。

失敗を恐れるなと。

私の先輩が助けてくれたように自分も助けられる人間でいたいと思います。

介護業界においてどんなことがあってもへこたれない精神力。私は確実に一番最初に勤めた施設の3年間で身についたと思っています。

周りの人達に支えられて今の自分がいるのだと。

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SONOSHUNKAN

あれしたい。これしたい。 

思った瞬間になるべくなら可能にしてあげたい。

身体的・精神的・さまざまな要因により制限を強いられた環境下の中、希望を口に出してくれるのなら叶えたいといつも思います。

 

私は以前の派遣先で考えさせる出来事が。

夕方決まって『散歩に行きたい』と職員に話しかけるご入居様がいました。認知症である為、見守りが必要な方でした。

残された業務はまだあります。

ですが、業務工程を自分の中で組み立て頑張って早く終わらせればその方とお散歩に行くことは不可能ではない。

なぜ、この方が散歩に行きたいか考える。

私達は家にいても外に出るきっかけはたくさんあり、誰に何も言われることはない。

施設に入居されている限り危険が伴う為、自分の意思で自由に外にはいけません。(自立されている方は別です)

でもだからといってずーっと部屋の中では嫌にもなりますよね。きっと今、外に出たいと言う気持ちを叶えてあげられず、後回しにしていたら暮らしの豊かさは少しずつ少しずつ失われてしまう気がしたのです。

自分の言った希望がここは叶う場所なんだ。と思ってもらいたくて、次の日は業務を足早に終わらせてその方の部屋に行きお誘いを。

 

『お散歩に一緒に行きませんか?』

私がそうきりだすと、嬉しそうに支度をされました。

30分、お夕飯前に近くの商店街を歩く。

帰りにクレープを買われました。

1口くらい食べて

『あなたも食べて』『私はもういいわ』

と私にくれたので

『いいんですか?』と言いつつも内心待ってましたと言わんばかりに遠慮なく秒でたいらげました。(ただの食いしん坊)

施設に帰りお夕飯を食べて寝る支度のお手伝いに部屋に入ると表情が少し明るく見えたのです。

施設の決まり・介護保険法の下、無理と言わざるを得ない場合はありますが、、よく考えて面倒くさがらず実現に向かえるようにしたい。

その為に私達、介護士はいるんだと割と本気で思っていたりします。

ご利用される方が希望を口に出しずらい。なんてことないような環境・雰囲気でありたいです。

現在働いているデイサービスでは業務時間・職員人数に余裕がある為、やりくりしながらその方の希望を叶えてあげられるべく動ける嬉しさを感じれています。

【AM11:00 デイサービスで写真展をしたとき】

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【AM11:30 お庭のイチジクを背景に】
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現在の古民家デイサービスには犬が3匹